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「プーチン大統領は来年引退」英MI6元長官が発言「療養所に入所」の見通し 元情報部員も健康不安説に言及、クレムリン「不安定になっている」

スパイ映画でも知られる英秘密情報部(SIS、通称MI6)の元長官が、ロシアのプーチン大統領が2023年までに引退すると発言した。MI6元情報部員も健康不安説に言及した。西側の諜報機関はロシアのトップシークレットをどこまで入手しているのか。

「彼(=プーチン氏)は2023年までに去るだろう」と語ったのは、リチャード・ディアラブMI6元長官。共同でホストを務めるポッドキャスト(音声メディア)で語った。「おそらく療養所に入所し、ロシアの指導者として浮上することはないだろう」と述べ、ニコライ・パトルシェフ安全保障会議書記が「代役になる可能性が高い」との見通しを示した。

MI6元情報部員のクリストファー・スティール氏は、プーチン氏について「常時、医師に付き添われている」と健康不安説に言及。安全保障会議で「セクションの間に外に出て何らかの治療を受けている」と述べたと英LBCラジオが伝えた。クレムリン(大統領府)内部について「ますます熱を帯び、不安定になっているかに見える」とし、後任は「プーチン氏より強硬な人物になるだろう」とした。

軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は「米国やフランスの情報機関の場合、OBに情報を流すことはないが、英国は特殊なインテリジェンス(諜報)コミュニティーがあり、人的ネットワークもあるとされる。ただ、プーチン氏の病状などは最高機密で、ロシアに揺さぶりをかける場合を除けば外には出てこないのではないか」とみる。

近年の情報戦では古典的なヒューミント(人的諜報)に加え、シギント(通信傍受や暗号解読)の働きも大きく、米国家安全保障局(NSA)や英政府通信本部(GCHQ)などの活動も注視されている。

「ウクライナ侵攻では米英はかなり情報を得ているようにみえる」と黒井氏。「平時にロシア側のネットワークにバックドアといわれる秘密裏の穴を開けておき、有事に侵入する手法がある。GCHQもNSAの情報の一部をハイレベルで共有しているとみられる。ロシア軍の苦戦の背景にはNSAのサイバー攻撃などの働きも大きいのではないか」と語った。